高齢者の肺炎球菌ワクチン

高齢者の肺炎球菌ワクチン

Pneumococcal vaccine

「65歳になって、市から肺炎球菌ワクチンの案内が届いた」「年をとって、肺炎が心配になってきた」。肺炎球菌は、高齢の方の肺炎などの原因となる細菌です。

高齢者の肺炎球菌ワクチンで、重い肺炎などにかかることを予防できます。65歳の方などは、肺炎球菌ワクチンを定期接種として1回受けられます。[1]

監修:院長 渡辺昌樹(日本内科学会 総合内科専門医)

  • 65歳の方などは
    定期接種で受けられます
  • 定期接種は
    1回の接種です
  • 事前のお電話で
    ご予約ください

こんな方はご相談ください

  • 市から高齢者用肺炎球菌ワクチンの案内が届いた
  • 65歳になり、肺炎が心配になってきた
  • 心臓・肺・腎臓・肝臓の病気や、糖尿病で通院している
  • 以前に肺炎球菌ワクチンを受けたかどうか、分からない
  • インフルエンザなど、ほかのワクチンといっしょに受けたい

肺炎球菌ワクチンのご予約・ご相談は、お電話でどうぞ。

予防接種は予約が必要ですので、お電話でご予約ください

06-6302-5261

肺炎球菌感染症とは

肺炎球菌感染症は、肺炎球菌という細菌によって起こる病気です。この菌は、主にせきやくしゃみのしぶきでうつります。

高齢の方の約5〜10%は、鼻やのどの奥にこの菌をもっているとされています。[1]

肺炎球菌が重い病気を起こすまで

  1. せき・くしゃみしぶきで菌がうつる
  2. 鼻やのどにすみつく高齢の方の約5〜10%
  3. 肺や血液に入りこむ菌が増えて奥へ広がる
  4. 重い病気気管支炎・肺炎・敗血症など

菌が肺や血液の中に入りこむと、気管支炎や肺炎、敗血症などの重い病気を起こすことがあります。[1]

肺炎球菌による肺炎にかかりやすい方

日本人を対象にした調査では、65歳以上の方は、50〜64歳の方にくらべて、肺炎球菌による肺炎にかかるリスクが約3.2倍高いと報告されています。[3]また、持病のある方も、かかるリスクが高くなります。

健康な方を「1」とした場合の、肺炎球菌による肺炎のかかりやすさ[3]

  • 慢性の肺の病気約5.2倍約5.2倍
  • 慢性の心臓の病気約2.6倍約2.6倍
  • 慢性の腎臓の病気約2.6倍約2.6倍
  • 慢性の肝臓の病気約2.1倍約2.1倍
  • 糖尿病約1.9倍約1.9倍
  • がん約1.7倍約1.7倍
65歳以上の方は
50〜64歳の方にくらべて
約3.2倍かかりやすい

糖尿病や心臓・腎臓の病気などで通院中の方も、肺炎球菌ワクチンについてお気軽にご相談ください。

定期接種の対象となる方

次のいずれかにあてはまる方は、肺炎球菌ワクチンを定期接種として1回受けられます。[1][2]

  • 65歳の方大阪市では、66歳の誕生日の前日までが対象です。
  • 60〜64歳の一部の方心臓・腎臓・呼吸器の機能の障害で身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんどできない方が対象です。

過去に肺炎や肺炎球菌感染症にかかったことがある方も、定期接種の対象になります。[1]ただし、大阪市では、過去に高齢者用肺炎球菌ワクチンを受けたことがある方は、定期接種の対象外です。

自費で接種した方も対象外になります。[2]

定期接種に使うワクチン

2026年4月から、定期接種に使うワクチンが「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)」から、「沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20(プレベナー20))」に変わりました。[1]

2026年4月から:PCV20(プレベナー20)2026年3月まで:PPSV23
結合型ワクチン莢膜ポリサッカライドワクチン
20種類の血清型が対象23種類の血清型が対象
筋肉内に1回注射筋肉内または皮下に1回注射

定期接種の対象ではない方が任意接種(自費)で受ける場合は、当院ではキャップバックス(21価肺炎球菌結合型ワクチン)を使っています。キャップバックスは、65歳以上の方と、肺炎球菌の病気にかかるリスクが高いと考えられる大人の方が接種できます。[4]

肺炎球菌の型(血清型)は、100種類以上です。2つのワクチンが対象とする血清型の割合は、ほぼ同じくらいです。

PCV20(プレベナー20)は「結合型」のワクチンで、ワクチンに含まれる血清型について、より高い効果が期待できるとされています。[1]

ワクチンの効果

肺炎球菌が血液などに入りこんで起こる重い感染症(侵襲性肺炎球菌感染症)について、次のような研究結果があります。[1]

  • 約5〜6割 原因の約5〜6割をカバーPCV20(プレベナー20)が対象とする20種類の血清型は、大人の重い肺炎球菌感染症の原因の約5〜6割を占めます。
  • 約3〜4割 全体の約3〜4割を予防血清型にかかわらず、重い肺炎球菌感染症全体の約3〜4割を予防する効果があります。

肺炎は、肺炎球菌以外の原因でも起こります。ワクチンですべての肺炎を防げるわけではありません。

ワクチンを受けたあとも、手洗い、うがい、マスクの着用など、ふだんの感染予防を続けましょう。[4]

主な副反応

ワクチン(PCV20(プレベナー20))を接種したあとに、次のような症状が出ることがあります。[1][2]

接種後に起こった主な副反応(10%以上の頻度)

  • 注射した部位の痛み59.6%59.6%
  • 筋肉痛38.2%38.2%
  • 疲れ30.3%30.3%
  • 頭痛21.7%21.7%
  • 関節痛11.6%11.6%

このほか、注射した部位が赤くなる、腫れるなどの症状が出ることがあります。頻度は分かっていませんが、まれにショック、アナフィラキシー(急な強いアレルギー反応)、けいれん、血小板減少性紫斑病がみられることがあります。[1]

接種を受けられない方・注意が必要な方

  • 接種を受けられない方
    • ジフテリアトキソイド(ワクチンの成分)で、アナフィラキシーを起こしたことがある方
    • 熱がある方、重い急な病気にかかっている方(治ってから受けてください)
    • そのほか、医師が接種を適当でないと判断した方
  • 事前に医師にご相談ください
    • 心臓・腎臓・肝臓・血液の病気がある方
    • 免疫不全と診断されている方、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
    • 予防接種のあと2日以内に、熱や全身の発疹などが出たことがある方
    • けいれんを起こしたことがある方
    • 血小板が少ない方、血が止まりにくい病気がある方、血をさらさらにするお薬を飲んでいる方

持病のある方や、飲んでいるお薬がある方は、お薬手帳をお持ちのうえご相談ください。[1]

ほかのワクチンとの接種間隔

  • ほかの肺炎球菌ワクチン過去に肺炎球菌ワクチンを受けた方がキャップバックス(任意接種)を受ける場合は、前回から1年以上あけて接種します。
  • インフルエンザなどのワクチンインフルエンザ、新型コロナ、帯状疱疹のワクチンなどとは、接種間隔の決まりはありません。医師が特に必要と認めた場合は、同じ日に接種できます。

接種間隔は、肺炎球菌ワクチンの資料をもとにしています。[4]

帯状疱疹ワクチンについては、以下のページもご覧ください。

接種の流れ

  1. 1

    お電話でご予約 接種を希望する日の2日前までにご予約ください。

  2. 2

    受付・検温・予診票の記入 定期接種の方は、「予診票」と「予防接種実施申込書」をご記入ください。[2]

  3. 3

    診察 医師が体調を確かめ、接種できるかを判断します。

  4. 4

    接種 腕の筋肉に注射します。

  5. 5

    接種後の様子をみる 接種後30分ほどは、急な体調の変化に備えて、院内か、すぐに連絡がとれる場所で様子をみてください。

受診のときの持ち物

  • マイナ保険証または資格確認書
  • 住所・年齢が確認できるもの(マイナンバーカードなど)
  • お薬手帳
  • これまでの接種の記録(お持ちの方)

よくあるご質問

Q過去に肺炎になったことがあります。定期接種の対象になりますか?
A

肺炎はさまざまな原因で起こり、肺炎球菌にも多くの種類(血清型)があります。過去に肺炎や肺炎球菌感染症にかかったことがある方も、定期接種の対象になります。

Q以前に肺炎球菌ワクチンを受けたことがあります。定期接種は受けられますか?
A

大阪市では、過去に高齢者用肺炎球菌ワクチンを受けたことがある方は、定期接種の対象外です。自費で接種した方や、大阪市の委託医療機関以外で接種した方も対象外になります。

Qインフルエンザや帯状疱疹のワクチンと、同じ日に受けられますか?
A

医師が特に必要と認めた場合は、ほかのワクチンと同じ日に接種(同時接種)できます。ご希望の方は、ご予約のときにお申し出ください。

Q66歳の誕生日を過ぎてしまいました。もう受けられませんか?
A

定期接種の期間を過ぎた方も、任意接種(自費)として受けることができます。当院では、任意接種にはキャップバックスを使っています。
お電話でご相談ください。

すぐに受診が必要なサイン

接種のあとに次のようなことが起きたときは、救急車(119番)を呼ぶか、救急対応のできる病院をすぐに受診してください

  • 息が苦しい、ゼーゼーする
  • 全身にじんましんが出た、顔やくちびるが腫れた
  • 意識がぼんやりする、ぐったりしている
  • けいれんが起きた

一般の診療所である当院では対応が困難です。当院へのご来院やお電話ではなく、ためらわずに救急車を呼んでください。

まとめ

  • 肺炎球菌は、高齢の方の肺炎などの原因になる細菌です
  • 65歳の方などは、定期接種として1回受けられます
  • 2026年4月から、定期接種のワクチンがPCV20(プレベナー20)に変わりました
  • ワクチンを受けたあとも、手洗い・うがいなどの感染予防を続けましょう

肺炎球菌ワクチンのご予約・ご相談は、お電話でどうぞ。

予防接種は予約が必要ですので、お電話でご予約ください

06-6302-5261

参考文献

  1. 厚生労働省. 高齢者の肺炎球菌ワクチン. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/pneumococcus-senior/index.html
  2. 大阪市. 高齢者用肺炎球菌ワクチン接種について(2026年9月24日更新). https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000623098.html
  3. Imai K, et al. BMJ Open. 2018;8(3):e018553.
  4. MSD株式会社. キャップバックスの接種を希望される方へ(2025年11月作成). https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2025/11/pneumococcalvaccine-IC.pdf
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