帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチン

Shingles vaccine

「帯状疱疹になると、強い痛みが続くと聞いて心配」「市から帯状疱疹ワクチンの案内が届いた」。帯状疱疹は、年齢とともにかかる方が増える病気で、70歳代で発症する方が最も多くなっています。[1]

帯状疱疹ワクチンで、帯状疱疹やその合併症を予防できます。2025年度から、65歳の方などは、帯状疱疹ワクチンを定期接種として受けられるようになりました。[1]

監修:院長 渡辺昌樹(日本内科学会 総合内科専門医)

  • 65歳の方などは
    定期接種で受けられます
  • 医師とご相談のうえ
    ワクチンを選べます
  • 事前のお電話で
    ご予約ください

こんな方はご相談ください

  • 市から帯状疱疹ワクチンの定期接種の案内が届いた
  • 50歳を過ぎて、帯状疱疹が心配になってきた
  • 家族や知人が帯状疱疹になり、痛みに苦しんでいた
  • 以前に帯状疱疹にかかったことがある
  • 生ワクチンと組換えワクチン(シングリックス)の、どちらを受ければよいか迷っている

帯状疱疹ワクチンのご予約・ご相談は、お電話でどうぞ。

予防接種は予約が必要ですので、お電話でご予約ください

06-6302-5261

帯状疱疹とは

帯状疱疹の原因は、幼いころにかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスです。水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは体の神経の中にひそんでいます。

日本の大人の90%以上が、このウイルスを神経の中にもっていると考えられています。[2]年齢を重ねたり、疲れがたまったりして体の抵抗力が下がると、ウイルスが再び活動を始めて起こるのが、帯状疱疹です。[1]

帯状疱疹が起こるまで

  1. 水ぼうそう幼いころにかかる
  2. ウイルスがひそむ治ったあとも神経の中に残る
  3. 抵抗力が下がる年齢・疲れ・病気など
  4. 帯状疱疹神経にそって痛みと水ぶくれ

帯状疱疹では、神経にそって、体の左右どちらかに帯のように、痛みをともなう水ぶくれが出ます。

皮膚の症状が治ったあとも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」になると、日常生活に支障が出ることもあります。[1]

80歳までに、約3人に1人がかかります

帯状疱疹は、50歳を過ぎるとかかる方が増え、80歳までに約3人に1人がかかるといわれています。[3]水ぼうそうにかかったことがある方なら、だれでもなる可能性があります。

80歳までにかかる方3人に1人

おもな症状

体の片側に「ピリピリ」「ズキズキ」とした痛みが出て、やがて赤い発疹や水ぶくれが出てくるのが特徴です。[4]多くは、体の片側の神経にそって、帯のように出ます。

帯状疱疹が出た部位の割合[5]

  • 腕・胸から背中31.2%31.2%
  • おなか・わき腹から背中19.6%19.6%
  • 頭や顔17.6%17.6%
  • 腰・おしりから脚17.2%17.2%
  • 首・肩から腕14.5%14.5%
いちばん多いのは
腕・胸から背中
31.2%

まれに、顔に出た帯状疱疹では、顔の神経のまひが起きたり、目に合併症が起きて視力に影響が出たりすることがあります。[4]顔、特に目のまわりに発疹が出たときは、早めに受診してください。

帯状疱疹になりやすい方

年齢のほかに、糖尿病や腎不全など、体の抵抗力(免疫の力)が下がる病気があると、帯状疱疹になりやすくなります。[6]

その病気がない方を「1」とした場合の帯状疱疹のなりやすさ

  • 悪性リンパ腫約8.4倍約8.4倍
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)約4.1倍約4.1倍
  • 糖尿病約2.4倍約2.4倍
  • 腎不全約2.2倍約2.2倍
  • 関節リウマチ約2.0倍約2.0倍
  • 高血圧約1.9倍約1.9倍
糖尿病があると約2.4倍帯状疱疹になりやすい

日本の1つの病院のカルテを調べた研究の結果です。[6]糖尿病や高血圧などで通院中の方も、帯状疱疹ワクチンについてお気軽にご相談ください。

定期接種の対象となる方

次のいずれかにあてはまる方は、帯状疱疹ワクチンを定期接種として受けられます。[1]

  • 65歳を迎える方その年度に65歳になる方が対象です。
  • 70歳・75歳・80歳など2025年度から2029年度までの5年間は、その年度に70・75・80・85・90・95・100歳になる方も対象です。
  • 60〜64歳の一部の方ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんどできない方が対象です。

水ぼうそうや帯状疱疹にかかったことのある方も、定期接種の対象になります。[1]費用や実施期間は、お住まいの市町村によって異なります。

お住まいの市町村から届いた案内をご確認ください。

過去に帯状疱疹ワクチンを受けたことがある方(大阪市の場合)

大阪市では、自費での接種や大阪市以外での接種も含めて、過去に帯状疱疹ワクチンを受けたことがある方は、次のように扱われます。[7]

これまでの接種大阪市の定期接種(助成)
受けたことがない対象になります(生ワクチン1回、または組換えワクチン(シングリックス)2回)
生ワクチンを1回受けた対象外です
組換えワクチン(シングリックス)を2回受けた対象外です
組換えワクチン(シングリックス)を1回だけ受けた残りの1回(シングリックス)だけが対象になります

2種類のワクチンを組み合わせて接種すること(交互接種)はできません。組換えワクチン(シングリックス)で2回とも助成を受けるには、その年度の1月末までに1回目を受け、3月31日までに2回目を受ける必要があります。[7]

大阪市以外にお住まいの方は、お住まいの市町村にご確認ください。

定期接種の対象ではない方も、任意接種として受けられます。費用は基本的に自己負担ですが、自治体によっては費用の助成があります。

2種類のワクチン

帯状疱疹ワクチンには「生ワクチン」と「組換えワクチン(シングリックス)」の2種類があり、接種するのはどちらか1種類です。2つのワクチンは、接種の回数や方法、効果とその続く期間、副反応などが異なります。[1]

当院では、生ワクチンと組換えワクチン(シングリックス)の両方を取り扱っています。

組換えワクチン(シングリックス)生ワクチン
2回(2か月以上あけて)1回
筋肉内に注射皮下に注射
病気や治療で免疫の力が下がっている方も接種できます病気や治療で免疫の力が下がっている方は接種できません
効果が長く続きます効果は年数とともに下がります
費用は高め:1回約2万円×2回で、合計約4万円費用は安め:1回のみで、約8,000〜1万円

費用は、任意接種(自費)で受ける場合の一般的な目安です。医療機関によって異なります。

定期接種の方の費用は、お住まいの市町村が決めた自己負担額です。当院の費用は、お電話でのご予約の際にお伝えします。

どちらのワクチンを受けるかは、このページの内容を参考にして、医師とご相談のうえお決めください。

組換えワクチン(シングリックス)の接種スケジュール

シングリックスは、50歳以上の方と、帯状疱疹にかかるリスクが高いと考えられる18歳以上の方が接種できます。[8]50歳以上の方は、1回目から2か月の間隔をおいて、筋肉内に2回接種します。

十分な予防効果を得るために、必ず2回接種しましょう。

2か月を過ぎても、6か月後までに2回目を接種 1回目 2回目 0 2 6(か月) 例:1回目が10月10日の場合、12月10日から2回目を接種できます

帯状疱疹にかかるリスクが高い18歳以上の方などは、1〜2か月の間隔で2回目を接種することがあります。詳しくは医師の指示に従ってください。[8]

ワクチンの効果

どちらのワクチンも、帯状疱疹やその合併症を予防する効果が認められています。[1]

帯状疱疹を予防する効果(接種後5年の時点)

  • 組換えワクチン(シングリックス)約9割約9割
  • 生ワクチン約4割約4割
組換えワクチン(シングリックス)の予防効果約9割(接種後5年の時点)
帯状疱疹を予防する効果組換えワクチン(シングリックス)生ワクチン
接種後1年9割以上約6割
接種後5年約9割約4割
接種後10年約7割―

合併症の帯状疱疹後神経痛を予防する効果は、接種後3年の時点で、生ワクチンは約6割、組換えワクチン(シングリックス)は9割以上と報告されています。[1]

組換えワクチン(シングリックス)の予防効果

  • 97% 50歳以上の方約3年の観察[9]
  • 90% 70歳以上の方約4年の観察[10]
  • 87.7% 11.4年間の長期の観察観察を延長した結果(推定値)[8]

数値は、試験の対象や観察の期間によって異なります。

主な副反応

ワクチンを接種したあとに、次のような症状が出ることがあります。[1]

起こる割合組換えワクチン(シングリックス)生ワクチン
70%以上注射した部位の痛み―
30%以上注射した部位の赤み、筋肉痛、疲れ注射した部位の赤み
10%以上頭痛、注射した部位の腫れ、寒気、発熱、胃腸の症状注射した部位のかゆみ・熱っぽさ・腫れ・痛み・しこり
1%以上注射した部位のかゆみ、だるさ、そのほかの痛み発疹、だるさ

頻度は分かっていませんが、まれに重い副反応がみられることがあります。生ワクチンではアナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎、組換えワクチン(シングリックス)ではショック、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群です。[1]

組換えワクチン(シングリックス)の主な副反応

多くの方に、注射した部位の痛みや腫れが出ます。[8]

シングリックスの接種後に起こった主な副反応(10%以上の頻度)

  • 注射した部位の痛み79%79%
  • 注射した部位の赤み37%37%
  • 注射した部位の腫れ24%24%
  • 筋肉痛37%37%
  • 疲れ35%35%
  • 頭痛28%28%
  • 寒気21%21%
  • 発熱17%17%
  • 胃腸の症状12%12%

気になる症状があれば、医師にご相談ください。

接種を受けられない方・注意が必要な方

  • 接種を受けられない方
    • このワクチンの成分で、アナフィラキシーを起こしたことがある方
    • 明らかに熱がある方(37.5℃以上)、重い急な病気にかかっている方(治ってから受けてください)
    • 生ワクチンの場合:病気や治療で免疫の力が下がっている方
    • 生ワクチンの場合:妊娠中、または妊娠している可能性がある方(授乳中の方は接種できます)
    • 組換えワクチン(シングリックス)の場合:妊娠中、または妊娠している可能性がある方、授乳中の方は、原則として接種しません
  • 事前に医師にご相談ください
    • 心臓・腎臓・肝臓・血液などの病気がある方
    • 予防接種のあと2日以内に、熱や全身の発疹などが出たことがある方
    • けいれんを起こしたことがある方
    • 免疫不全と診断されている方、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
    • 組換えワクチン(シングリックス)の場合:血が止まりにくい病気がある方、血をさらさらにするお薬を飲んでいる方

このほかにも注意が必要な場合があります。[1]持病のある方や、飲んでいるお薬がある方は、お薬手帳をお持ちのうえご相談ください。

接種の流れ

  1. 1

    お電話でご予約 接種を希望する日の2日前までにご予約ください。

  2. 2

    受付・検温・予診票の記入 当日の体温と、体調・これまでの病気などをご記入ください。

  3. 3

    診察 医師が体調を確かめ、接種できるかを判断します。

  4. 4

    接種 ワクチンを接種します。

  5. 5

    接種後の様子をみる 接種後30分ほどは、急な体調の変化に備えて、院内か、すぐに連絡がとれる場所で様子をみてください。

  6. 6

    2回目の接種(組換えワクチン(シングリックス)の場合) 1回目から2か月以上あけて、2回目を接種します。

接種した日の過ごし方

  • 激しい運動は避ける接種した日は、激しい運動を避けてください。
  • 注射した部位は清潔に注射した部位は清潔に保ってください。接種した日の入浴は、さしつかえありません。
  • 気になる症状は受診を注射した部位の異常な反応や、体調の変化を感じたときは、すぐに医師の診察を受けてください。

接種した日の過ごし方は、組換えワクチン(シングリックス)の説明書をもとにしています。[8]

受診のときの持ち物

  • マイナ保険証または資格確認書
  • お薬手帳
  • 市町村から届いた案内(定期接種の方)
  • これまでの接種の記録(お持ちの方)

よくあるご質問

Q水ぼうそうや帯状疱疹にかかったことがあります。ワクチンを受けたほうがいいですか?
A

はい。帯状疱疹は、水ぼうそうにかかったことがある方なら、だれでもなる可能性があり、一度かかった方がまたかかることもあります。
水ぼうそうや帯状疱疹にかかったことのある方も、定期接種の対象になります。

Q生ワクチンと組換えワクチン(シングリックス)は、どちらがいいですか?
A

2つのワクチンは、接種の回数、効果とその続く期間、副反応などが異なります。このページの比較を参考にして、医師とご相談のうえお決めください。
当院では、生ワクチンと組換えワクチン(シングリックス)の両方を取り扱っています。

Q以前に帯状疱疹ワクチンを受けたことがあります。定期接種は受けられますか?
A

大阪市では、自費での接種も含めて、過去に生ワクチンを1回、または組換えワクチン(シングリックス)を2回受けた方は、定期接種の対象外です。組換えワクチン(シングリックス)を1回だけ受けた方は、残りの1回だけが定期接種の対象になります。
大阪市以外にお住まいの方は、お住まいの市町村にお問い合わせください。

Q組換えワクチン(シングリックス)の2回目は、いつ受ければいいですか?
A

1回目から2か月以上あけて受けます。病気や治療で免疫の力が下がっている方などは、医師が必要と判断した場合、1か月まで短くできます。
2回目のご予約も、お電話でお願いします。

すぐに受診が必要なサイン

接種のあとに次のようなことが起きたときは、救急車(119番)を呼ぶか、救急対応のできる病院をすぐに受診してください

  • 息が苦しい、ゼーゼーする
  • 全身にじんましんが出た、顔やくちびるが腫れた
  • 意識がぼんやりする、ぐったりしている
  • 手足に力が入らない、しびれが広がる

一般の診療所である当院では対応が困難です。当院へのご来院やお電話ではなく、ためらわずに救急車を呼んでください。

まとめ

  • 帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが原因で、年齢とともにかかる方が増えます
  • 皮膚が治ったあとも、帯状疱疹後神経痛が残ることがあります
  • 2025年度から、65歳の方などは定期接種として受けられます
  • ワクチンは2種類あり、医師とご相談のうえ選べます

帯状疱疹ワクチンのご予約・ご相談は、お電話でどうぞ。

予防接種は予約が必要ですので、お電話でご予約ください

06-6302-5261

参考文献

  1. 厚生労働省. 帯状疱疹ワクチン. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html
  2. 国立感染症研究所. 帯状疱疹ワクチンファクトシート 第2版. 2024. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001328135.pdf
  3. Shiraki K, Toyama N, Daikoku T, et al. Herpes zoster and recurrent herpes zoster. Open Forum Infect Dis. 2017;4(1):ofx007.
  4. 日本皮膚科学会. 帯状疱疹診療ガイドライン2025. 日皮会誌. 2025;135(3):527-556.
  5. 石川博康, ほか. 日皮会誌. 2003;113(8):1229-1239.
  6. Hata A, Kuniyoshi M, Ohkusa Y. Risk of herpes zoster in patients with underlying diseases: a retrospective hospital-based cohort study. Infection. 2011;39(6):537-544.
  7. 大阪市. 帯状疱疹ワクチン接種について(2026年9月24日更新). https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000644586.html
  8. シングリックス筋注用 電子添文(2026年6月改訂 第6版). グラクソ・スミスクライン株式会社.
  9. Lal H, Cunningham AL, Godeaux O, et al. Efficacy of an adjuvanted herpes zoster subunit vaccine in older adults. N Engl J Med. 2015;372(22):2087-2096.
  10. Cunningham AL, Lal H, Kovac M, et al. Efficacy of the herpes zoster subunit vaccine in adults 70 years of age or older. N Engl J Med. 2016;375(11):1019-1032.
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