胃の不調(胃痛・胸やけなど)

胃の不調(胃痛・胸やけなど)

Stomach discomfort

「みぞおちがキリキリ痛む」「食後に胸やけがする」「すっぱいものが上がってくる」「胃もたれが続く」。胃の不調は、だれにでも起こりやすい症状ですが、くり返したり長引いたりするときは、病気が隠れていることがあります。

当院では、症状をうかがったうえで、必要に応じて鼻から入れる胃内視鏡(胃カメラ)で原因を調べ、治療を行います。

監修:院長 渡辺昌樹(日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医)

  • 消化器内視鏡専門医の
    院長が担当します
  • 鼻から入れる
    細い胃カメラ
  • 診察は
    予約なしで受けられます

こんな方はご相談ください

  • みぞおちや胃のあたりの痛みが続く、くり返す
  • 胸やけがする、すっぱいものや苦いものが上がってくる
  • 胃もたれがする、少し食べただけでおなかがいっぱいになる
  • 吐き気がある、食欲がない
  • のどの違和感や、長引くせきがある
  • 市販の胃薬を飲んでも、よくならない

胃の不調が気になる方は、まず一度診察にお越しください。

診察は予約なしで受けられます(胃内視鏡(胃カメラ)は予約制です)

06-6302-5261

症状から考えられる主な病気

同じような症状でも、原因となる病気はさまざまです。症状だけでは区別がつかないことも多いため、必要に応じて胃内視鏡(胃カメラ)で確かめます。

  • 胸やけ・すっぱいものが上がる胃食道逆流症
  • みぞおちの痛み胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア
  • 胃もたれ・食後すぐおなかがいっぱい慢性胃炎、機能性ディスペプシア

胃潰瘍や慢性胃炎には、ピロリ菌が関わっていることがあります。また、胃がんや食道がんでも、似たような症状が出ることがあります。

胃内視鏡(胃カメラ)で原因を確かめます

胃の不調の原因を調べるのに役立つのが、胃内視鏡(胃カメラ)です。食道・胃・十二指腸の粘膜を直接見て、炎症や潰瘍、がんなどがないかを確かめます。

必要に応じて組織を少しとり、良性か悪性(がん)かを調べることもできます。[1]

お薬を飲んでも症状がよくならないときや、体重が減る、吐くことをくり返すといったときは、胃内視鏡(胃カメラ)で、ほかの病気が隠れていないかを確かめることが大切です。詳しい症状は、このページの機能性ディスペプシアの項目の「警告症状」をご覧ください。[2][3]

  1. 診察症状やお薬をうかがう
  2. 胃内視鏡(胃カメラ)食道・胃・十二指腸を調べる
  3. 結果のご説明原因となる病気をお伝えする
  4. 治療お薬と生活の見直し

当院の胃内視鏡(胃カメラ)は、鼻から入れる細い内視鏡です

「オエッ」となる反射が少なく、楽に受けられる検査とされています。検査の流れや、検査の前とあとの注意は、経鼻内視鏡のページでご案内しています。

経鼻内視鏡(胃カメラ)のページへ

ピロリ菌の検査と除菌については、以下のページもご覧ください。

胃食道逆流症とは

胃食道逆流症は、主に胃の中の酸が食道へ逆流することで、胸やけなどの症状が出たり、食道の粘膜がただれたり(逆流性食道炎)する病気です。胃酸の逆流は、食後2〜3時間までに起こることが多いとされています。[2]

大人の10〜20%がかかっていると推測されています

胃食道逆流症は、最も多い胃腸の病気の一つです。食生活の欧米化や、ピロリ菌に感染していない人が増えて胃酸がよく出る人が多くなったことなどから、1990年代後半から増えています。[2]

胃食道逆流症の方10人に1〜2人

主な症状

  • 代表的な症状
    • 胸やけ:胸の骨の裏側が焼けるような感じ
    • 呑酸(どんさん):逆流した胃の中身が、口の中やのどまで上がってくる感じ
  • そのほかに出ることがある症状
    • 胸の痛み(狭心症に似た痛み)
    • 長引くせき、ぜんそく
    • のどの違和感、のどの炎症
    • 歯が溶ける(酸蝕症)

胸やけ・呑酸が代表的な症状です。このほか、胸の痛みや、せき・のどの症状などが出ることもあります。[4]

ただし、胸の痛みは心臓の病気のこともあります。胸がしめつけられるように痛むときは、すぐに受診してください。

胃食道逆流症の3つのタイプ

タイプ胸やけなどの症状食道のただれ
非びらん性逆流症ありなし
症状のある逆流性食道炎ありあり
症状のない逆流性食道炎なしあり

食道のただれがあるかどうかは、胃内視鏡(胃カメラ)で調べないと分かりません。[2]

胃食道逆流症を起こしやすくするもの

次のようなことが、胃食道逆流症を起こしやすくする可能性があります。[4]

  • 食べすぎ・脂肪の多い食事食べすぎや飲みすぎ、脂肪の多い食事は、逆流を起こしやすくします。
  • 寝る前の食事夕食後すぐに横になると、食道が長い時間、胃酸にさらされます。
  • 肥満・猫背おなかの圧が上がり、逆流しやすくなります。
  • 激しい運動激しい運動は逆流を増やします。適度な運動は、むしろ予防に役立ちます。
  • ストレス・睡眠不足食道が敏感になり、症状が出やすくなります。
  • 一部のお薬血圧のお薬(カルシウム拮抗薬)など、逆流を起こしやすくするお薬があります。

放っておくと起こること

逆流性食道炎では、食道から出血したり、食道が狭くなったり(狭窄)することがあります。高齢の方や、食道炎が重い方で起こりやすくなります。[4]

逆流性食道炎の方1,749人で、合併症が見られた割合[4]

  • 出血9.0%9.0%
  • 食道が狭くなる(狭窄)3.4%3.4%

また、胃食道逆流症が続くと、食道の粘膜が胃の粘膜のように変わる「バレット食道」になることがあります。[4]長さが3cm以上のバレット食道からは、1年に約1.2%の割合で食道がんが発生すると推定されています。[4]

バレット食道がある方は、定期的に胃内視鏡(胃カメラ)を受けましょう。

診断と検査

胃内視鏡(胃カメラ)で食道を調べ、食道炎が重いか軽いか、食道炎のない非びらん性逆流症か、ほかの病気かを確かめて、治療を決めます。[4]

胸やけなどの症状

胃内視鏡(胃カメラ)食道炎の程度を確かめる

重い逆流性食道炎食道のただれが強い
軽い逆流性食道炎食道のただれが軽い
非びらん性逆流症食道のただれなし

胃内視鏡(胃カメラ)を受けていない方は、まず2〜4週間、胃酸を抑えるお薬を飲んでいただくことがあります。よくならないときや、また症状が出てきたときは、胃内視鏡(胃カメラ)を受けていただきます。[4]

なお、お薬を飲んだあとの胃内視鏡(胃カメラ)では、食道炎の重さを正確に判断できません。[4]

治療

治療の中心は、胃酸を抑えるお薬です。プロトンポンプ阻害薬(PPI)か、より強く胃酸を抑えるボノプラザン(P-CAB)を使います。

タイプによって、使うお薬と期間が変わります。[4]

タイプ最初の治療よくなったあと
重い逆流性食道炎ボノプラザンを4週間再発や合併症を防ぐため、お薬を続けます
軽い逆流性食道炎PPIを8週間、またはボノプラザンを4週間効果が続く、いちばん少ない量で続けます(症状があるときだけ飲む方法もあります)
非びらん性逆流症PPIを4週間効果が続く、いちばん少ない量で続けます(症状があるときだけ飲む方法もあります)
  1. 最初の治療タイプに合わせたお薬
  2. よくなったらお薬の続け方を相談
  3. よくならないときお薬を変える・増やす

生活習慣の見直しや、胃酸を中和するお薬などを組み合わせることもあります。お薬を変えてもよくならないときは、専門の医療機関で詳しい検査(食道の酸の逆流や動きを調べる検査)を受けていただきます。[4]

食道炎が重かった方は、お薬をやめるとほぼ確実に再発し、出血や食道が狭くなるなどの合併症の危険性も高いため、症状がよくなってもお薬を続けることが大切です。[4]

ふだんの生活で気をつけること

生活習慣の見直しは、胃食道逆流症の治療に有効です。お薬の治療とあわせて行いましょう。

効果が確かめられているのは、次の4つです。[4]

  • 体重を減らす太っている方は、体重を減らすと逆流と症状が減ります。
  • たばこをやめるたばこは逆流を起こしやすくします。
  • 夕食は寝る3時間前までに夜に症状が出る方は、遅い時間の夕食を避けましょう。
  • 上半身を高くして寝る夜に症状が出る方は、ベッドの頭側を25cmほど上げて寝ると、逆流が減ります。

このほか、脂肪の多い食事、甘いもの、みかんなどの柑橘類で胸やけが出る方は、それを控えましょう。[4]

  • 生活で避けたいこと
    • おなかをしめつける服やベルト
    • 重い物を持つ、前かがみの姿勢
    • 右を下にして寝る
    • たばこ
  • 食事で避けたいこと
    • 食べすぎ、寝る前3時間の食事
    • 脂っこい食事、甘いもの
    • アルコール、コーヒー、炭酸飲料
    • チョコレート、みかんなどの柑橘類

どのくらい効果があるかは、人によって違います。生活を見直してもよくならない場合は、お薬を使うとよくなることが多いので、ご相談ください。[2]

胃炎とは

胃炎は、胃の粘膜に炎症が起きている状態です。長く続く胃の炎症(慢性胃炎)の多くは、ピロリ菌によって起こります。[3]

ピロリ菌による胃炎が長く続くと、胃の粘膜が薄くなる「萎縮性胃炎」に進み、胃がんの危険性が高くなります。

  • 慢性胃炎の多くはピロリ菌胃内視鏡(胃カメラ)で、ピロリ菌による胃炎かどうかを確かめます。
  • 炎症と症状は一致しないことも胃に炎症があっても症状がないことや、炎症がなくても症状があることも多くあります。

胃の炎症は、必ずしも胃痛や胃もたれなどの症状と関係しないことが分かってきました。炎症がないのに症状が続く場合は、後でご説明する機能性ディスペプシアのことがあります。[3]

ピロリ菌の検査と除菌については、以下のページもご覧ください。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)は、食べ物を分解する胃酸や消化酵素が、胃や十二指腸の壁を深く傷つけてしまう病気です。粘膜が削れて、穴があきそうな状態になったものを潰瘍といいます。[1]

主な原因

  • ピロリ菌最も多い原因です。胃の粘膜に炎症が起こり、胃を守る粘液が減るため、潰瘍ができやすくなります。
  • 痛み止めのお薬次に多い原因です。解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)や、脳卒中・心筋梗塞の予防に使う少量のアスピリンは、胃の粘膜を守る力を弱めます。
  • どちらもない潰瘍お薬もピロリ菌もかかわらない潰瘍が、約1割に増えていると考えられています。

ふだんの生活のストレスやたばこが、それだけで潰瘍の原因になるという根拠はありません。ただし、ピロリ菌に感染している方では、たばこやストレスで潰瘍になりやすくなることが分かっています。[1]

主な症状

胃潰瘍十二指腸潰瘍
食後に痛むことがある夜間に痛むことがある

どちらも、おなかの上やみぞおちのあたりの鈍い痛み、吐き気、胸やけなどが出ます。自覚症状がまったくないこともあります。[1]

診断と検査

胃痛などの症状から胃潰瘍・十二指腸潰瘍が疑われたら、まず胃内視鏡(胃カメラ)やバリウム検査で、潰瘍があるかを確かめます。最近は、胃内視鏡(胃カメラ)で調べることが多くなっています。[1]

  • 胃内視鏡(胃カメラ)胃や十二指腸の中を直接見て、潰瘍があるか、どのくらい深いかを確かめます。
  • 組織の検査必要に応じて組織を少しとり、顕微鏡で良性か悪性(がん)かを調べます。
  • ピロリ菌の検査潰瘍の主な原因であるピロリ菌に感染しているかを調べます。

バリウム検査で異常を指摘されたときは、後日、胃内視鏡(胃カメラ)で詳しく調べる必要があります。[1]

鼻から入れる経鼻内視鏡は、口から入れる内視鏡にくらべて「オエッ」となる反射が少なく、負担が軽いとされています。ただし、経鼻内視鏡では、潰瘍から出血しているときに血を止める処置はできません。[1]

出血が疑われるときは、止血の処置ができる病院をご紹介します。

ピロリ菌の検査の方法は、以下のページで詳しくご説明しています。

悪化すると、命にかかわる合併症が起こることがあります

  1. 潰瘍胃や十二指腸の壁が深く傷つく
  2. 出血血を吐く、黒い便が出る、貧血
  3. 穿孔(穴があく)激しい腹痛・腹膜炎

出血したときは内視鏡で血を止める処置が、穴があいたときは手術などの緊急の処置が必要になります。[1]このようなときは、このページの「すぐに受診が必要なサイン」をご覧ください。

治療の進め方

合併症があるかどうかと、潰瘍の原因によって、治療の進め方が変わります。[5]

胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断

出血・穿孔などの合併症がある

入院できる病院へご紹介内視鏡で血を止める処置や、手術などの治療を受けていただきます

合併症がない

原因に合わせた治療下の表のように、原因に合わせて治療します
潰瘍の原因主な治療
ピロリ菌がいるピロリ菌の除菌治療と、潰瘍を治すお薬の治療を行います。どちらを先に行ってもかまいません。高齢の方も、年齢にかかわらず除菌治療を行います。
痛み止めのお薬(非ステロイド性抗炎症薬)痛み止めのお薬をやめて、潰瘍を治すお薬を使います。やめられない場合は、ボノプラザンかプロトンポンプ阻害薬(PPI)を使います。
少量のアスピリン(脳卒中・心筋梗塞の予防)アスピリンはできる限り休まずに、プロトンポンプ阻害薬(PPI)で潰瘍を治します。
ピロリ菌も痛み止めもかかわらない胃酸を強く抑えるお薬で治療し、治ったあとも再発を防ぐためにお薬を続けます。

表の内容は、消化性潰瘍診療ガイドラインにもとづいています。[5]胃潰瘍では、がんによる潰瘍ではないことを確かめることが大切で、治ったあとも、できれば胃内視鏡(胃カメラ)で確かめます。[5]

アスピリンや痛み止めのお薬は、自己判断でやめずに、必ず医師にご相談ください。特にアスピリンは、脳卒中や心筋梗塞を防ぐために大切なお薬です。

潰瘍を治すお薬

潰瘍を治すお薬は、胃酸を強く抑える「ボノプラザン」か「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」が第一選択です。[5]

  1. お薬を飲み始めるボノプラザンまたはPPI
  2. 6〜8週間飲み続ける
  3. 潰瘍が治る痛みがなくなっても最後まで
潰瘍が治るまで6〜8週間(通常)

痛みがよくなっても、自己判断でお薬をやめないでください。[1]

治療中・治ったあとに大切な3つのこと

  • ピロリ菌を除菌するピロリ菌が原因の潰瘍は、除菌に成功すれば、ほとんどの場合治り、再発も防げます。
  • 生活に気をつける暴飲暴食を避け、たばこやお酒を控えましょう。
  • 定期的に胃カメラを除菌に成功したあとも、胃がんなどができる危険性は続きます。

除菌のあとも、定期的に胃内視鏡(胃カメラ)を受けてください。[5]

機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシア(FD)は、症状の原因となる病気(胃潰瘍や胃がんなど)がないのに、みぞおちの痛みや胃もたれなどの、みぞおちを中心とした症状が慢性的に続く病気です。[6]胃の動きや感じ方など、胃のはたらき(機能)が悪くなったことが原因と考えられています。[3]

胸やけやすっぱいものが上がってくる症状は、胃食道逆流症の症状と考えられ、機能性ディスペプシアの症状には含めません。[6]

とてもありふれた病気です

  • 11〜17% 健康診断を受けた人11〜17%に見つかります。
  • 約半数 胃の症状で病院を受診した人45〜53%に見つかります。

機能性ディスペプシアがある方は、日ごろの生活の質が下がっています。治療で症状がよくなれば生活の質も回復するので、症状の強い方は、がまんせずに早めにご相談ください。[3]

症状による2つのタイプ

国際的な基準(ローマⅣ基準)では、主な症状によって次の2つのタイプに分けています。[6]

  • 食後愁訴症候群
    • 食後のもたれ感(食後の胃もたれ)
    • 早期飽満感(食べ始めてすぐにおなかがいっぱいになる)
  • 心窩部痛症候群
    • みぞおちの痛み
    • みぞおちの焼けるような感じ

日本のガイドラインでは、症状をこの4つに限らず、症状が続いている期間についても、診察する医師が判断することとしています。[6]

原因はさまざまです

1つの原因だけでなるわけではなく、次のような原因がいくつか組み合わさって症状が起こると考えられています。[3]

  • 胃の動きの低下食べ物を十二指腸へ送る動きや、食事のときに胃がふくらむ動きがうまくいかない。
  • 胃の知覚過敏少しの刺激でも、痛みなどの症状が出やすい。
  • ストレス・不安脳と胃腸は密接につながっていて、胃の動きや感じ方に影響する。
  • 胃酸胃酸が胃や十二指腸を刺激する。
  • 胃腸炎のあと感染性胃腸炎が治ったあとも、症状が続くことがある。
  • 生活習慣たばこ、不眠、早食いなどのかたよった食習慣。

診断と検査

症状、年齢、これまでの病気、ピロリ菌に感染しているかどうか、検査の結果などから、総合的に判断して診断します。胃内視鏡(胃カメラ)は、必ずしも必要ではありません。

ただし、次のような「警告症状(アラームサイン)」がある場合など、ほかの病気が疑われるときは、胃内視鏡(胃カメラ)などで詳しく調べます。[6]

胃内視鏡(胃カメラ)などで詳しく調べたほうがよい症状(警告症状)

  • 高齢になってから、初めて症状が出た
  • 体重が減った
  • 吐くことをくり返す
  • 出血がある
  • 飲みこみにくい、飲みこむときに痛む
  • おなかにしこりがある
  • 熱がある
  • 家族に食道がんや胃がんの方がいる

警告症状がない方でも、治療を始めても症状がよくならないときや、いったんよくなった症状がまた出てきたときは、ほかの病気が隠れていないかを詳しく調べます。[6]また、ほかの病気がないことを確実に確かめるには、胃内視鏡(胃カメラ)が必要です。[6]

ピロリ菌がいる場合

ピロリ菌に感染している方の治療は、まず除菌からです。除菌から6か月〜1年後に症状がなくなった、またはよくなった場合は、ピロリ菌が症状の原因だったと考え、「ピロリ菌関連ディスペプシア」と診断します。[6]

症状が変わらない場合は、機能性ディスペプシアとして治療を続けます。

治療の流れ

説明と生活の見直し病気のしくみをご説明し、食事や生活習慣を見直します

一次治療胃酸を抑えるお薬、胃の動きをよくするお薬(アコチアミド)、漢方薬(六君子湯)

4〜8週間を目安に、効果がなければ次へ

二次治療不安やうつを和らげるお薬、ほかの胃の動きをよくするお薬、ほかの漢方薬

それでも症状がよくならないとき

ほかの病気がないかを詳しく調べる腹部超音波(エコー)検査、腹部CT検査など。必要に応じて専門の医療機関をご紹介します

一次治療のお薬は、効果が確かめられていて、最初に使うことがすすめられているお薬です。治療の効果は、4〜8週間を目安に判断します。[6]

エコー検査については、以下のページもご覧ください。

生活の見直しでは、お腹いっぱいまで食べずに少しずつ分けて食べる、脂肪の多い食事を避ける、お酒やコーヒーを控える、たばこをやめる、といったことで、症状が軽くなることが期待されます。[3]どの治療でもすぐに完全によくなるとは限らないため、まずは症状が今より軽くなることを目指します。[3]

機能性ディスペプシアは、治療で症状がなくなったあとでも、数か月のあいだに5人に1人くらいが再発するとされています。[3]症状がまた出てきたときは、お早めにご相談ください。

数か月のうちに再発する方5人に1人

受診の流れ

  1. 1

    診察 予約なしで受診できます。症状や、飲んでいるお薬をうかがいます。

  2. 2

    胃内視鏡(胃カメラ)の予約 必要な方は、検査の日を決めます。

  3. 3

    胃内視鏡(胃カメラ) 食道・胃・十二指腸を調べます。

  4. 4

    結果のご説明と治療 原因に合わせて、お薬や生活の見直しをご提案します。

受診のときの持ち物

  • マイナ保険証または資格確認書
  • お薬手帳
  • これまでの胃カメラや健診の結果(お持ちの方)
  • 飲んでいる市販の胃薬(お持ちの方)

よくあるご質問

Q市販の胃薬で症状がおさまります。受診したほうがいいですか?
A

症状をくり返す場合や、市販のお薬を飲んでもよくならない場合は、ほかの病気が隠れていないかを確かめるために、一度受診してください。胸やけなどの症状がお薬で完全によくならないときは、ほかの病気の可能性があるため、胃内視鏡(胃カメラ)を受けることがすすめられています。[2]

Q胸やけがあると、必ず胃内視鏡(胃カメラ)が必要ですか?
A

必ずではありませんが、食道がんや胃潰瘍・十二指腸潰瘍などのほかの病気ではないことを確かめるために、なるべく受けることが望ましいとされています。お薬を飲んでも症状が完全によくならないときは、必ず胃内視鏡(胃カメラ)を受けてください。[2]

Q逆流性食道炎のお薬は、ずっと飲み続けるのですか?
A

症状がよくなったあとにお薬を続けるかどうかは、患者さんごとに判断します。症状や食道炎が軽い方は、生活に気をつけるだけで過ごせることもあります。
食道炎が強かった方は、症状がよくなってもお薬を続けることがすすめられます。[2]

Q胃内視鏡(胃カメラ)は、受診したその日に受けられますか?
A

胃内視鏡(胃カメラ)は予約制です。まず診察で症状をうかがい、検査の日を決めます。
診察は予約なしで受けられます。

Q痛み止めのお薬をよく飲みます。胃は大丈夫ですか?
A

解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)は、胃の粘膜を守る力を弱めるため、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因になることがあります。脳卒中や心筋梗塞の予防に使う少量のアスピリンも同じ仲間のお薬です。
潰瘍になったことがある方は特に注意が必要ですので、お薬手帳をお持ちのうえご相談ください。[1]

すぐに受診が必要なサイン

次のようなときは、救急車(119番)を呼ぶか、救急対応のできる病院をすぐに受診してください

  • 血を吐いた
  • 真っ黒な便(タールのような便)が出た
  • 強い腹痛が急に起きて、おさまらない
  • 胸がしめつけられるように痛む、冷や汗が出る(心臓の病気のことがあります)

一般の診療所である当院では対応が困難です。当院へのご来院やお電話ではなく、ためらわずに救急車を呼んでください。

まとめ

  • 胃の不調の原因は、胃食道逆流症、胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシアなどさまざまです
  • 胃がんや食道がんでも、似たような症状が出ることがあります
  • 胃内視鏡(胃カメラ)で、原因を確かめることができます
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、お薬とピロリ菌の除菌で治療します
  • 胃食道逆流症や機能性ディスペプシアは、お薬と生活の見直しで症状がよくなることが期待できます

胃の不調が気になる方、胃内視鏡(胃カメラ)をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

診察は予約なしで受けられます(胃内視鏡(胃カメラ)は予約制です)

06-6302-5261

参考文献

  1. 日本消化器病学会 編. 患者さんとご家族のための消化性潰瘍ガイド2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/
  2. 日本消化器病学会 編. 患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/
  3. 日本消化器病学会 編. 患者さんとご家族のための機能性ディスペプシアガイド2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/
  4. 日本消化器病学会 編. 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版). 南江堂, 2021.
  5. 日本消化器病学会 編. 消化性潰瘍診療ガイドライン2026(改訂第4版). 南江堂, 2026.
  6. 日本消化器病学会 編. 機能性消化管疾患診療ガイドライン2021―機能性ディスペプシア(FD)(改訂第2版). 南江堂, 2021.
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