高尿酸血症・痛風

高尿酸血症・痛風

Hyperuricemia & Gout

「健診で尿酸値が高いと言われた」「足の親指の付け根が、急に腫れて痛くなった」。血液中の尿酸が多い状態を高尿酸血症といい、痛風の原因になります。[1]

高尿酸血症は、腎臓の病気や尿路結石とも関係しています。[1]症状がないうちから、生活習慣を見直すことが大切です。

監修:院長 渡辺昌樹(日本内科学会 総合内科専門医)

  • 痛風の発作中も
    予約なしで受診できます
  • 高血圧・糖尿病などと
    あわせて診療します
  • お酒や食事の見直しを
    ご一緒に考えます

こんな方はご相談ください

  • 健診で「尿酸値が高い」と言われた
  • 足の親指の付け根などが、急に赤く腫れて痛くなった
  • 痛風の発作を、くり返している
  • ビールなどのお酒をよく飲む
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症や、肥満がある
  • 尿路結石になったことがある

一つでも当てはまる方は、お気軽にご相談ください。

予約なしで受診できます

06-6302-5261

高尿酸血症とは

尿酸は、体の中でプリン体という物質が分解されてできる老廃物で、主に尿から体の外に出ていきます。尿酸がつくられすぎたり、うまく出ていかなかったりすると、血液中の尿酸が増えます。[1]

男女・年齢に関係なく、血液中の尿酸値が7.0 mg/dLを超えると「高尿酸血症」です。[1]尿酸は7.0 mg/dLを超えると血液に溶けきれなくなり、結晶になりやすくなります。[1]

高尿酸血症の基準7.0mg/dLを超える

女性では、尿酸値が7.0 mg/dL以下でも、尿酸値が高いほど生活習慣病になりやすいことがわかっています。[1]

尿酸値が高いままだと起こること

高尿酸血症が長く続くと、次のような病気が起こりやすくなります。[1]

  • 痛風関節にたまった尿酸の結晶で、急に強い痛みと腫れが起こります。
  • 腎臓の病気尿酸値が高いと、慢性腎臓病が起こりやすく、進みやすくなります。
  • 尿路結石腎臓や尿の通り道に石ができ、激しい痛みの原因になります。
  • ほかの生活習慣病高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどと関係しています。

15の研究をまとめた報告では、尿酸値が1 mg/dL上がるごとに、慢性腎臓病になる危険性が1.22倍になりました。[1]

尿路結石は、10年以内に50〜75%の方が再発するといわれています。[1]

尿酸値が1 mg/dL上がると
慢性腎臓病になる危険性
1.22倍

痛風とは

痛風は、関節にたまった尿酸の結晶がはがれ落ちて、激しい炎症を起こす病気です。[1]高尿酸血症の方のすべてに、痛風が起こるわけではありません。[1]

痛風が起こるまで

  1. 高尿酸血症尿酸値が高い状態が続く
  2. 結晶がたまる関節の中に尿酸の結晶ができる
  3. 痛風の発作関節が急に腫れて強く痛む
  4. くり返す発作がふえ、痛風結節ができる

痛風の発作の特徴

  • 中年の男性に多い
  • 足の親指の付け根など、主に足の関節の1か所が、赤く腫れて痛む
  • 痛みは24時間以内に最も強くなる
  • 10日ほどで自然によくなり、しばらく症状のない時期がある

発作は自然に治まりますが、治療をしないと発作が増え、関節の痛みが続くようになります。[1]尿酸の結晶のかたまり(痛風結節)が、皮膚の下にこぶのようにできることもあります。[1]

発作が起きているときは、尿酸値がふだんより低く出ることもあるため、これまでの健診の尿酸値も、診断の大切な手がかりです。[1]

発作のきっかけになりやすいこと

食べすぎ・飲みすぎ、体の水分不足、ストレス、長い距離を歩くなど関節に負担がかかることが、発作のきっかけになるといわれています。[1]尿酸値を下げるお薬を飲み始めたあとの数か月も、発作が起こりやすくなります。[1]

治療の進め方

治療は、痛風の発作や痛風結節があるかどうかと、尿酸値によって決まります。[1][2]どの場合も、生活習慣の見直しが治療の基本です。[1]

高尿酸血症尿酸値が7.0 mg/dLを超える 痛風の発作または痛風結節 尿酸値 8.0未満 尿酸値 8.0以上 ほかの病気* 9.0未満 9.0以上 あるないあるない 生活の見直し(お酒・食事・体重など) お薬の治療 お薬を考える お薬を考える 目標は6.0以下 生活の見直しを続ける 生活の見直しを続ける 尿酸値の単位:mg/dL

*「ほかの病気」とは、腎臓の病気、尿路結石、高血圧、狭心症・心筋梗塞、糖尿病、メタボリックシンドロームなどです。[1]

症状のない高尿酸血症にお薬を使うかどうかは、慎重に決めることが大切です。[1]お薬のよい点と注意点をご説明し、納得していただいたうえで始めます。

腎臓の働きが悪い方や、尿路結石をくり返す方は、専門の医療機関をご紹介します。

痛風の発作の治療

発作の痛みと炎症を抑えるお薬を、できるだけ早く飲み始めます。[1]症状がよくなったら、お薬はやめます。[1]

  • 炎症を抑えるお薬痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)、コルヒチン、ステロイドの中から、持病や飲んでいるお薬に合わせて選びます。
  • 安静にして冷やす痛む関節を高くして負担をかけないようにし、冷やすと痛みが和らぎます。
  • お酒はやめる発作が続いている間は、お酒を飲まないでください。

尿酸値を下げるお薬

尿酸値を下げるお薬には、尿酸がつくられるのを抑えるお薬と、尿酸を尿に出しやすくするお薬があります。[1]体の状態や、尿路結石があるかどうかなどで選びます。[1]

  • 発作が完全に治まってから、飲み始めます
  • 少ない量から始めて、1〜2か月ごとに少しずつ増やします
  • 飲み始めて数か月は、発作が起こりやすくなることがあります
  • お薬を飲んでいる間に発作が起きても、お薬は続けます

お薬を始めたばかりのころは、尿酸値が下がるときに関節の結晶がはがれ落ちて、発作が起こることがあります。[1]発作を防ぐために、少量のコルヒチンを一緒に飲むこともあります。[1]

約5年間、尿酸値を6.0 mg/dL未満に保っていた痛風の方が、お薬をやめると、3年以内に約40%の方で発作が再発したと報告されています。[1]

尿酸値を下げるお薬は、自己判断でやめないでください。

お薬をやめると
3年以内に再発
約40%

生活の見直し

お薬を使うかどうかにかかわらず、生活の見直しが大切です。[1]食事、お酒、運動の3つが基本になります。[1]

  • 体重を減らす肥満を解消すると、尿酸値が下がることが期待できます。
  • お酒を控えるお酒の量が多いほど、痛風になりやすくなります。
  • プリン体をとりすぎないプリン体は、1日400 mgくらいまでが目安です。
  • 甘い飲み物を控える果糖を多く含む甘い飲み物や果物ジュースは、控えましょう。
  • 水分をしっかりとる尿の量を1日2,000 mL以上に保つことが目標です。腎臓の病気がある方は、医師にご相談ください。
  • 軽い運動を続ける歩くなどの軽い運動を、1日30分以上を目安に続けます。

お酒と痛風

お酒を飲まない方などを「1」とした場合の痛風のなりやすさ[1]

  • 少量(1日のアルコールが12.5 g未満)1.2倍1.2倍
  • 中くらい(12.6〜37.4 g)1.6倍1.6倍
  • 多い(37.5 g以上)2.6倍2.6倍

ビール(アルコール5%)に置きかえると、おおよそ次のとおりです。

  • 少量:1.2倍1日にビール350 mL缶 1本弱まで
  • 中くらい:1.6倍1日にビール500 mL缶 1本前後
  • 多い:2.6倍1日にビール500 mL缶 2本ほど以上

お酒の中では、ビールが最も痛風になりやすくするといわれています。[1]尿酸値への影響を少なくする1日の量の目安は、次のとおりです。[1]

  • 1日のお酒の目安(どれか1つ)
    • 日本酒 1合
    • ビール 350〜500 mL
    • ウイスキー 60 mL

プリン体の多い食品・少ない食品

プリン体(100 gあたり)主な食品
極めて多い(300 mg以上)鶏レバー、マイワシの干物、白子(イサキ・ふぐ・たら)、あんこうの肝(酒蒸し)、太刀魚、健康食品(ビール酵母、クロレラなど)
多い(200〜300 mg)豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、オキアミ、干物(マアジ・サンマ)
中くらい(100〜200 mg)肉(豚・牛・鶏)の多くの部位、魚類、ほうれんそう(芽)、ブロッコリースプラウト
少ない(50〜100 mg)肉や魚の一部、加工肉、ほうれんそう(葉)、カリフラワー
極めて少ない(50 mg以下)野菜全般、米などの穀類、卵、乳製品、豆類、きのこ類、豆腐、加工食品

プリン体は水に溶けやすいため、プリン体の多い食品でも、煮汁を飲まなければ、とる量を減らせます。[1]

受診の流れ

  1. 1

    受付・問診票の記入 症状、これまでの痛風の発作、持病やお薬、お酒の量などをご記入ください。

  2. 2

    診察 痛む関節の腫れや赤みなどを確かめます。

  3. 3

    検査 血液検査や尿検査で、尿酸値や腎臓の働きなどを調べます。

  4. 4

    治療方針のご相談 検査の結果をもとに、生活の見直しやお薬についてご説明します。

  5. 5

    定期的な通院 基本は月1回の通院で、尿酸値やお薬の効き方を確かめます。

受診のときの持ち物

  • マイナ保険証または資格確認書
  • お薬手帳
  • 健診の結果(これまでの尿酸値がわかるもの)
  • これまでの血液検査の結果

よくあるご質問

Q痛風の発作が起きています。予約なしで受診できますか?
A

はい、予約なしで受診できます。痛風の発作は、できるだけ早く治療を始めることが大切です。
痛みが強いときは、無理に動かさずにお越しください。

Q尿酸値が高いと言われましたが、症状はありません。お薬は必要ですか?
A

まずは、お酒・食事・体重など、生活習慣の見直しが基本です。
尿酸値が8.0 mg/dL以上で腎臓の病気や高血圧などの病気がある場合や、9.0 mg/dL以上の場合は、お薬を考えます。お薬を使うかどうかは、よい点と注意点をご説明したうえで、ご相談して決めます。

Q発作が治まったら、お薬をやめてもいいですか?
A

発作の痛みを抑えるお薬は、症状がよくなったらやめます。
尿酸値を下げるお薬は、自己判断でやめないでください。やめると、発作がまた起こりやすくなります。

Qビールでなければ、お酒を飲んでもいいですか?
A

ビールはプリン体が多く、お酒の中で最も痛風になりやすくするといわれています。
ただし、お酒そのものにも尿酸値を上げる作用があります。お酒の種類にかかわらず、飲む量を控えましょう。

Q女性も高尿酸血症になりますか?
A

はい。尿酸値が7.0 mg/dLを超えると、男女とも高尿酸血症です。
女性は男性より尿酸値が低いため、尿酸値が高い場合は、原因となるほかの病気がないかも調べます。

すぐに受診が必要なサイン

次のようなときは、救急車(119番)を呼ぶか、救急対応のできる病院をすぐに受診してください

  • わき腹や背中の激しい痛みに、高い熱やふるえを伴う
  • 尿がほとんど出ない
  • 関節の腫れと痛みに加えて、高い熱があり、ぐったりしている
  • 胸の痛みや、息苦しさがある

一般の診療所である当院では対応が困難です。当院へのご来院やお電話ではなく、ためらわずに救急車を呼んでください。

まとめ

  • 尿酸値が7.0 mg/dLを超えると、高尿酸血症です
  • 高尿酸血症は、痛風・腎臓の病気・尿路結石の原因になります
  • 治療の基本は、お酒・食事・体重などの生活の見直しです
  • 痛風の方は、尿酸値を6.0 mg/dL以下に保つことを目指します
  • 尿酸値を下げるお薬は、自己判断でやめないでください

生活習慣病は、いくつか重なると、心臓や脳の病気の危険がさらに高まります。以下のページもご覧ください。

尿酸値が気になる方、痛風の発作が起きた方は、お気軽にご相談ください。

予約なしで受診できます

06-6302-5261

参考文献

  1. 日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改訂委員会(編). 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版. 診断と治療社. 2019.
  2. 日本痛風・尿酸核酸学会 ガイドライン改訂委員会(編). 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]. 診断と治療社. 2022.
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